図解一覧  ›  Cyc — 常識を辺として書き、規則で増やす
ARC 1 / SCENE 3 — 専門家を機械に閉じ込める

Cyc — 常識を辺として書き、規則で増やす

知識は「木 —(一種)→ 植物」のような辺。推論とは、 規則の前提に合った辺の組から新しい辺を 1 本ずつ足すこと。 2 ホップ先を何でも繋ぐのではない——述語の並びが規則に合った組だけが繋がる。

1984 年、ダグラス・レナトが始めた「常識を明示的に全部書く」プロジェクト。 ここでは断言 4 本と規則 3 本で動かす。

ルールが新しい辺を足す

説明

実線が最初から書いてある常識(断言)。「推論を 1 歩」を押すと、 規則の前提に合う辺の組を探し、見つかった組から新しい辺を 1 本足す。 使った前提 2 本と規則はそのたびに光る。

足された辺は次の推論の材料になる——「木は光合成ができる」が入ると、 そこで初めて「木には日光が必要」を導ける。

構成図

細い線=書いてある常識 青の太線=推論で足した辺 琥珀に光る=いま使った前提 琥珀の点線=いま足した辺

規則 3 本(前提の型に合った組だけが繋がる)
まだ何も導いていない。
Cyc(1984〜)
常識を明示的な断言と規則で書き切ろうとするプロジェクト。専用の論理言語 CycL を持ち、 断言は数百万件。40 年を超えて今も Cycorp が続けている。
同じ形の考え方が生きている場所
「もの — 関係 — もの」の三つ組で知識を持つ形は、Wikidata などの知識グラフや RDF/OWL に生きている。
常識は書いても書いても尽きない。何を書き忘れているかは、困るまで分からない (知識獲得ボトルネック)。
※ ノード 5 個・断言 4 本・規則 3 本は説明のための小さな例。 述語名は CycL の genls(〜の一種)/ capableOf(〜ができる)に対応させた日本語で表記。